クルーズは
人生を運ぶ
2019年9月の夏休み、彼女と一緒に乗船しました。初日のレストランに1時間遅れて行ったところ、テーブル担当のスタッフの方(Jamesさん)がとてもきびきびと急かすことなく次から次へちゃんと私たちのスピードを見計らってお料理をサーブしてくれて、最後はほかのお客様と同時にデザートが食べられ、完璧なサービスでした!その上のメートルディも優秀な方のようで、その方と連携を取りながら、常に微笑を絶やさず適度な距離でいつもそばから見守ってくれました。その日の寄港地のことや、彼のアメリカでのことなど、ディナー時に色々と会話をするのが毎日の楽しみでした。 米カンザス出身のJamesさんはニューヨークでレストランを仲間と一緒に将来オープンするのが夢で、今は世界中の街を船で巡ってお店のアイデアを考えているとのこと。最後の寄港地の長崎ではグラバー園で一緒になり、すぐ近くで長崎ちゃんぽんを一緒に食べたのがいい思い出です。
乗客の方とも素晴らしい出会いがありました。朝食会場で相席になって私たち若い二人を励ましてくださった元気いっぱいの山口の旅館の女将さんの笑顔、ズンバ教室でいつも一緒だった30代のOLの快活なお2人の笑い声、ホイールハウスバーでいつも一緒になり、年代ウィスキーをごちそういただいたロマンスグレーの音楽家の先生と、カウンター越しに先生と丁々発止する底抜けに明るい大きな目をしたフィリピン人のバーテンダーとの掛け合い、、、バーテンダーが言った一言が忘れられない、「make it count! /今を大切に」。
沢山の一期一会の出会いが切り取られた写真のように今でも鮮明に残っています。
人生それぞれのステージで生きている時に、たまたま船上で普段会えることのない人と短い時間を共有して、人生が交差し、またそれぞれの場所に戻っていく、、、
Jamesとは再開を約束して別れましたが、コロナ禍で再びクルーズに行く機会もなく、私自身もこの時の彼女と別れ、別の人生を生きています。
彼の夢は実現したのだろうかー。もしまた船で会えたら真っ先に彼に言おう、「この僕の息子は2歳になったよ!」